待機児童対策で保育所を増やそうにも、賃金が低いため保育士のなり手がいません。政府は先月まとめた一億総活躍プランで、保育士の賃金アップを打ち出しましたが、実現しても他職種との格差は依然大きいです。保育現場は、さらなる上積みを切望します。

 「子どもの命と発達を保障する重要な仕事ですが、それに見合う賃金が得られない。保育士の給料では生活できないから、なるのを諦めるという人が出ない社会に」

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▲出典:東京新聞

 12日午後、横浜市中区のJR桜木町駅前に集まった保育士ら30人が、エプロン姿でマイクを握り、道行く人に待遇改善などを訴えました。近くでは参院選の立候補予定者が街宣カーの上から「保育士と介護士の待遇改善をして、喜んで仕事をしていただけるようがんばります」と声を張り上げていました。

 厚生労働省が129職種を対象にした「賃金構造基本統計調査」によると、保育士の平均月収は約22万円で、全職種の平均より10万円以上低い額です。県が2013、14年度に行った保育士実態調査で、現役保育士(回答数26,455人)に職場への改善要望を尋ねたところ、15の選択肢の中で「給与・賞与等の改善」を望む声が 19 %と最も多い結果になりました。

 

 一億総活躍プランは保育士の賃金を平均で月額6千円引き上げるとしました。「それでは全然足りない」。横浜市戸塚区内の私立認可保育所で働いて10年目という男性保育士(34)は話します。

 手取りは月16万円。ほかに住宅手当が2万5千円支給され、家賃5万円のアパートに一人で住んでいます。貯金する余裕はありません。「時給に換算するといくらになるのか、考えたくない」と苦笑します。結婚はしたいが「子どもが生まれたら生活できるのか」と不安を抱えています。

 保育士確保のため、横浜市は2014年度から、認可保育所などを運営する法人で働き始めて5年以内の保育士が住む借り上げ住宅の家賃を補助する制度を始めました。

 費用は国、市、法人で分担します。担当課によると昨年度は901戸の利用があり、一定の効果があったとします。川崎市も本年度から同様の制度を導入しました。

 横浜保育問題協議会の辻村久江会長(69)は「保育士の給与水準は『保母』と呼ばれ女性しかいなかった時代と変わっていない。保育士不足を解決するには待遇改善しかない」と訴えます。参院選が来月10日に投開票されるが、保育士の待遇改善は待ったなしの課題といえそうです。